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Couldn't Toss

昨日に続き、同じ箱を漁っていたら、LS-120ドライブが出てきた。

スーパーディスクとも呼ばれた、と書いても2026年に通じる人はほぼいないだろう。3.5インチのフロッピーと互換性があって、専用メディアなら120MB入る。フロッピーの約80倍。当時としては夢みたいな容量だった。

ケーブルはIDEで、FDDケーブルではない。FDDの代わりに使えて、ついでにフロッピーも読める。完璧だと思っていた。

たいして使わなかった。でも、わたしのイチオシで、デファクトになる未来も信じていた。今の世界から振り返ると、なるほど無理筋だった。USBメモリとCD-Rの両側から殴られて、どちらにも勝てなかった。

箱を漁っていると、そういう消えていった連中が次々に出てくる。

MDはCDウォークマンとMP3プレイヤーの隙間で咲いて、iPodで主役を譲った。とはいえカーオーディオに採用された分しぶとく、いまも意外と見かける。USB接続のMDドライブに至ってはオークションで高値が付く。車のMDプレイヤー向けに、PCから新しい曲を流し込みたい層が、いまだに残っているらしい。

MOは光磁気とカートリッジの頑丈さで、お役所の納品メディアとして長く居座っていた。誰も派手に推さなかったが、その地味さがそのまま息の長さになった。

DATはもともとハイエンドオーディオの夢として始まり、コンシューマで広まりきらず、サーバー室に逃げ込んで生き延びた。DATテープが何か知らない世代でも、エヴァのDATプレイヤーは知っているかもしれない。アニメが文化的にDATを延命させた節がある。

生き残った連中は、表舞台ではなく裏方に席を見つけたものたちだ。DATとLTOはバックアップ用に、データセンターの片隅で淡々と巻かれてきた。何度かLTOドライブを買おうとしたが、LTO4ですらホビーで出せる値段ではない。

民生に出た規格ほど派手に消え、業務に逃げた規格だけが残った。テープで生き残ったのはLTOだ。

で、肝心のLS-120だ。ドライブの隣に専用メディアまで一緒に出てきた。これを今ここで捨てたら、もう一生、実物のスーパーディスクを見ることはないだろう。博物館にあるのかも怪しい。

パーツ箱をそっと閉じた。