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No VGA

画面出力できないサーバーがあった。

Sunのサーバーにはモニター出力がなかった。VGAポートがない。DELLやHPのx86サーバーには当たり前のようについているVGA端子が、Sunの筐体にはない。

ではどうやって操作するのか。方法は二つあった。

ひとつはシリアルコンソールだ。1Uのラックマウント機だとシリアルポートがRJ-45で、変換ケーブルを噛ませる必要がある。テキストベースで、クソ遅い。いまでいう遅いときのGPTのような速度で文字が流れてくる。それでも十分だった。

もうひとつはネットワーク越しにX Windowを飛ばす方法だ。Xサーバーを手元のマシンで立てて、リモートのSolarisからディスプレイを転送する。GUIが必要なときだけXを飛ばして、普段はシリアルかtelnetで済ませる。画面は手元にあるが、計算は向こうで動いている。いまのリモートデスクトップの原型のようなものだ。

x86サーバーの世界にはiDRACやiLOがある。サーバーの中にもうひとつ小さなコンピュータが入っていて、OSが死んでいてもネットワーク経由で電源のオンオフやBIOS操作ができる。リモートからサーバーを再起動できるのは、深夜に呼び出されるエンジニアにとっては救いだ。

もっとも、iDRACは有償オプションだった。オプショナルのカード部品を差して使う。わたしがいたSI側では、ハウジング案件でその予算を顧客から取るのに毎回苦労した。「現場に行けばいいじゃないですか」。深夜3時にデータセンターに駆けつける人間のコストは想像がおよばないらしい。

それでも物理障害には対応できない。ディスクが死んだら誰かが現地に行って交換するしかない。

クラウドの時代になって、シリアルコンソールもiDRACも触る機会は減った。でもあの頃、画面のないサーバーに手探りで繋いだ経験は、いまでも役に立っている。