Missed Wave
フレンドスターというサービスがネット記事になったのを覚えている。
友達が友達を紹介する。ネズミ講のような仕組みだと思った。当時はSNSという言葉がなくて、それをSNSと呼ぶようになったのはもっと後のことだった。
面白いと思った。すぐに同じようなサービスを作り始めた。
作った。リリースした。間に合ってはいた。
でも誰にも届かなかった。告知が稚拙だった。マーケティングなんて言葉すら頭になかった。そもそもSNSがない時代に、SNSをどう広めればよかったのか。いまでこそ通用するジョークだが、当時は笑えなかった。
mixiが始まり、Facebookがあっという間に覇権を取った。
波の気配は感じていた。わたしたちは水平線の向こうに何かが来るのを見ていた。当時の仲間たちも「これは来る」と思っていた。コードも書いた。リリースもした。でも波が岸に届いたとき、乗っていたのはわたしたちではなかった。
あれからずっと、C向けのサービスに未完の感情が残っている。作れなかったんじゃない。届けられなかった。その差が、技術だけでは埋まらないことを知った最初の経験だった。