Applet Trauma
Javaにはどうにもいい印象がない。最初の出会いがアプレットだった。
Javaアプレットを知らない世代も多いだろう。ブラウザの中でJavaのプログラムを動かす仕組みだ。Webページにアクセスすると、JVMが起動してバイトコードをダウンロードして実行される。理念は美しかった。Write Once, Run Anywhere。どのブラウザでも同じように動く。はずだった。
実際にはページを開くたびにJVMの起動で数十秒待たされ、灰色の矩形がブラウザの中に居座り、ようやく動いたと思えばもっさりしている。しかもブラウザごとにJVMのバージョンが違って動作が異なる。Run Anywhereどころの話ではなかった。
一方でJavaScriptとの出会いは良かった。軽い。ブラウザがそのまま実行してくれる。コンパイルもいらない。テキストエディタで書いて、保存して、リロードすれば動く。あの即時性は快感だった。
まさか2026年になってJavaScriptがほぼ同じ用途で現役だとは思わなかった。ブラウザで動くスクリプト言語という立ち位置は変わっていない。変わったのはむしろ周辺だ。Nodeがサーバーサイドに進出し、npmのエコシステムが爆発的に膨らんだ。ブラウザの中の軽量スクリプトが、いつの間にかサーバーもCLIもデスクトップアプリも飲み込んでいる。
言語の盛衰はわからないものだ。あれだけ隆盛を誇ったCPANはもう息をしていない。Perlのモジュールエコシステムは当時最先端で、何でもCPANにあった。いまのnpmと同じポジションにいた。それが静かに役目を終えた。npmもいつかそうなるのだろうか。
Javaはサーバーサイドで生き延びた。アプレットは死んだが、Spring Bootは健在だ。第一印象が最悪だった言語が、いまもエンタープライズの基盤を支えている。わたしの第一印象はあてにならない。