Lens Box
閑話休題。カメラに一時期はまっていたことがある。この記事はカメラ沼に落ちている人にはつまらないと思うので読み飛ばしてほしい。
しばらく前、EOS 90Dを買った。最後のAPS-C一眼レフだ。どうせならフルサイズに買い換えるかもしれないからと、フルサイズ用のレンズをeBayで買いあさった。サーバー部材の仕入れルートが転用できるとは思わなかった。本体よりレンズのほうが高い。
カメラのレンズには広角・標準・望遠がある。この3本を揃えるのを麻雀になぞらえて三元と呼ぶ。廉価版の小三元で始めて、気づいたら高級版の大三元に手を出している。違いはレンズの明るさだ。暗い場所でも撮れる。背景がよくボケる。ただそれだけのために値段が倍以上になる。知ってしまうと戻れない。沼の入口は「もうちょっといいレンズなら」だ。
レンズ沼に落ちた知り合いが言っていた。中古ショップを保管所だと思ってからが勝負だと。売ったレンズはいつでも買い戻せる。手元にないだけで、自分のものだ。その理屈は完全に壊れているが、妙に説得力があった。
帰省したとき、父親のレンズボックスを見て冷たい目をしていた記憶がある。でかいレンズが何本も防湿庫に並んでいる。テクノロジー的にはなんの興味も惹かない。メカニカルな光学機器だ。デジタルのかけらもない。何がおもしろいのかさっぱりわからなかった。
数年後、わたしの部屋にも同じようなレンズボックスがあった。結局撮るものがないのに気づいて辞めた。いまは事務所のレンタル機材になっている。
血は争えない。レンズの本数まで争えないとは思わなかったが。