Last Router
家のルータを買い換えた。
思えばYAMAHA信者だった時期がある。RTX2000やら日立のGR2000やらを複数台自宅で使っていた頃がピークだ。ハーフラックに収まったルータたちと1Uサーバーは当時の部屋には大きすぎた。排気音とその廃熱は、日々悪夢を見るのに十分だった。
いまではもうそんなこだわりもなく、すべてがラッピングされたeeroを使っている。サブスクにも入って快適だ。セットアップはアプリで5分。SSIDもメッシュも勝手にやってくれる。
おそろしく簡単だ。
でもこの簡単さの裏側で、果てしないパケット処理が行われていることは知っている。NAT、ファイアウォール、QoS、メッシュのハンドオーバー。あの頃コマンドを一行ずつ打ち込んでいた処理が、ユーザーフレンドリーなUIの裏で静かに動いている。
ファームウェアを実装しているエンジニアに思いを馳せる。あなたたちが抽象化してくれたおかげで、わたしはもうコマンドを打たなくていい。First Routerに20万を払った人間が、いまではサブスクで満足している。これを堕落と呼ぶのか、成熟と呼ぶのかはわからない。